「ずっと二人でいようね」
弟の晴夏はそういった。
俺達は双子だ。
俺が兄で、名前は明記。
弟は、晴夏。
極一般的な家庭に生まれた。
僕達は、前世の記憶、というものがある。
いや、生まれ変わりと言えば良いものか。
生まれ変われば、必ず晴夏がいた。
不思議とそれを受け入れていた。
「また、だめだった。」
何度目なんだろうか。
明記が兄と姉を救えなかったたびに、
涙を流し、どれだけ悔やんだのだろう。
いつしか、俺は諦めていた。
諦めざる終えなかった。
姉は兄を愛し、兄は姉を愛した。
俺は明記を愛していた。もちろん家族愛だ。
明記も、俺のことを愛してくれた。
でも、知ってるんだ。
明記が、姉に恋心を抱いていることを。
兄弟のテレパシーというものか。なんとなく察していた。
でも、その愛に姉は答えなかった。
いや、答えられなかった。
きっと気づいていたのだろう。そして兄も同様に。
俺は、明記を慰めた。愛を返してくれなくとも別に良かった。
だから、許して。気づいたって別にいい。
二人でいようね
二人ぼっち
3/21/2024, 1:48:58 PM