メレメレはどうかな

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特別な存在

君は21gだけ僕に嘘をついていた。

それを知ったのは君がいなくなる前日だった。
机の上に置いたままにしてあった日記。勝手に見るのはいけないとはわかっていながら、好奇心には勝てなかった。そこに綴られていたのは僕の知らない君の姿だった。
心から愛している人がいたこと、彼は交際中に病気で亡くなったこと、僕はその彼によく似ていること…
「今の彼も愛しているけどやっぱりあの人のことが忘れられない。あの人は特別。」
日記の中でそう言い切った君は悪魔なのだろう。


けれど君を責めることはできない。君の21gはもうこの世にはいないから。
…今ごろ愛する彼と地獄でよろしくやってるんだろうか。僕は行き場のない怒りをどこかにぶつけることさえできず、ただ君だった物体を撫でることしかできなかった。

3/23/2024, 3:30:46 PM