パラレルワールド
突然、目の前に自分が現れた。
パラレルワールドから来たらしい。
顔や背格好はもちろん鏡写しのようで、自分にしか理解できない質問を完璧に答えてくる。
正真正銘、自分自身だった。
ありえない状況なのに案外、冷静でいられる自分に驚いた。
「ってか、パラレルワールドってなんですか?」
なぜか自分自身に敬語を使ってしまい半笑いで問う。
『え、あー、なんか、同じ時間で進んでる別世界って感じ?ネットに書いてあった。なんか知らんけど、朝起きたら知らない所で寝てて、そんで自分が横で寝てたから最初、幽体離脱だと思ったんよね。ウケるよね。』
と言いつつ、目がニコリとも笑ってない。そんなところもそっくりだ。
「そもそも、なんでこっちの世界?に来たんすか?なんか、原因とか。」
『あ〜それなんだけど、全くわからんくて仮説立てた。』
「仮説…。」
『うん。ズバリ!バグだな!ゲームとかでよくある。』
俺は目の前にいるあまりにもアホな自分を思わず殴った……と思ったけれど、拳は宙を殴っていた。「あ、帰ったな。」そう悟り俺は何事も無かったように日常に戻った。
9/25/2025, 10:44:49 AM