いつもの道の脇にある小道の向こう。まだ一度も行ったことがなく、この道の先には何があるのだろうと想像をかき立てられる。
小道の先は小高くなって曲がっており、その向こうは見えない。
道の先には何があるのだろう。行ってみようか?
この町の裏側? はたまた全然知らない不思議な世界? いやいやそんなものが存在するはずはないけど、なら、もしかしたら隠れたお洒落なお店とか。猫の溜まり場もいいなぁ。
いざ、広がる景色を確かめに。想像にわくわくしながら。
――本当は知っていた。
こういうものは、想像で済ませておいた方がいいことを。現実なんて、そんなものだってことを。
目の前に広がるよく見知った通りを見て、溜め息を吐いた。
『この道の先に』
7/3/2023, 5:58:19 PM