NoName

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小学校の集団登校で同じ班だった彼に恋をしていたんだと気づいたのは彼が卒業してからだった。


初めて会った時のことはあまり覚えていない。
自分は小学一年生で彼は小学四年生だった。
彼と話すのは楽しくてあっという間に時間が経った。

私が小学三年生になった頃どうしても学校に行きたくなくて、泣きながら家で駄々をこねていた。
彼は六年生で班長ということもあり、家まで迎えに来てくれた。
泣きながら出てきた自分に戸惑いながらも側にいた彼の友達に「泣かせるなよ〜笑」など冗談を言って自分が笑顔になるまでたくさん話してくれた。

その年、彼が付き合い始めたという噂が流れた。モヤモヤして苦しくなった。
当時の自分はこれが嫉妬だなんて思いもしなかった。

そのまま彼は小学校を卒業した。
彼がいた日々はとても楽しくて幸せだった。
彼のいない学校生活は何か物足りなかった。
三つ年が離れている事もあり、中学生になっても会うことは無かった。
近所にある彼が住んでいたあのアパートはもう違う家族が住んでいる。

もう二度と出会うことはないでしょう。
ですが、自分はいつまでもこの初恋を大切にしたいのです。

5/7/2024, 3:16:16 PM