『夢をみていたい』
「女の子はね、何歳になっても夢をみていたい生き物なの」
そう言っていた、いとこのお姉さんは、昔からの夢を叶えた。
純白のドレスに身をつつみ、スワロフスキーの輝きをまとう。彼女が動くたびに、ドレスにあしらわれたスパンコールがキラキラと瞬く。
いつもよりちょっと濃いメイクをして、髪にもラメを、黒真珠のような艶を持った美しい髪は結い上げられ、青いかすみ草の髪飾りがよく映える。
「ねぇさん、おめでとう、とってもきれいよ」
「ふふふっありがとう!あなたもとっても素敵よ!」
「でも、本当に良かったの?私、まだ学生よ?プロじゃないのに」
「もちろん!私の晴れ舞台のスタイリングは、貴女にやってもらうって、小さい頃の約束だもの」
「そんな小さい頃の約束覚えてたのにびっくりしたよ」
小さい頃、ねぇさんの夢は「お嫁さん」私の夢は「メイクさん」
ねぇさんの結婚式のメイクは私がやると言ったのはもう10年も前のこと。
「あ〜今日の私最高にかわいい!!ありがとう!凄腕メイクさん?」
鏡のなかに映る自分の顔をマジマジと見つめるねぇさんは贔屓目なしにみても美しい。
「これからもよろしくね?」
「ねぇさんが予約が取れないくらい有名になってやるわよ」
少し見つめ合って、耐えられなくなって同時に笑う。
コンコンっと終わりの合図がなった。
「もう時間かぁ、緊張する」
「いってらっしゃい、この私がメイクしたんだもん!ねぇさんは最強よ!!」
「……それもそうか!見ててね私の晴れ姿!」
ハイタッチして、ねぇさんはスタッフさんと待機場所に向かっていった。
私は会場に向かう。専門の勉強をしてるとはいえ、私はまだ学生。まだまだプロの技術には敵わない。
それでも、ねぇさんは私を指名した。自分の夢の舞台に、私にも夢を見せてくれた。
まっていて、きっと私もすぐに追いついてみせるから。
1/14/2026, 2:56:06 AM