「どうせなら全部消えればいいのにね」
心と心が触れあっていて
この人のことを知ったつもりでいても
全く知らない一面がちらりと顔を出す
いわば表裏一体
巡る季節のような一面を見せる
「希望も望みもないなら、いちから全部やり直し
さっさと死んで終わっちゃえばいいのに」
触れた優しさの分
この人の心の傷が見えるような気がする
自分の傷を癒せないから、誰かの傷を癒している
この人の痛々しいまでの優しさに溺れて
身動きもとれなくなって、やっと
根底に眠る空虚な部分を目の当たりにする
ああ、この人はからっぽなんだ
何もなくて、何も要らなくて
滑り込む隙間もないほど固い扉を閉めた心
誰も干渉することが叶わない場所
それに触れたいとは思わない
近寄りたいとさえも思わない
ただ、この人に傷を癒してもらえるままの関係で
そんな関係でいたい
12/12/2022, 6:20:40 PM