たーくん。

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窓から涼しい風が入ってくる我が家。
今日は俺の十五歳の誕生日だ。
親父は真剣な表情で、俺に語り始めた。
「実はな。お前は俺達の子供じゃない。魔王の子なんだ。偶然、魔王の城でお前を拾ってな……。お前が十五歳になった時に言おうと、母さんと決めていたんだ」
「だからか……俺の顔は紫色だし、角が生えてるし、魔法が使えるから、なんか皆とは違うなって思ってたんだよ。全く気づかなかったぜ」
「いや、そこまで気づいてるなら分かるでしょ!?母さんは、ずーーーっと言いたくて仕方なかったんだからね!?」
俺と親父の会話を傍で聞いていた母さんが、会話の間に入ってきた。
「何はともあれ、お前は魔王の子だろうと俺達の子供だ。これからもそれは変わらない。改めてよろしくな」
「そうよ。周りから何を言われても、私達はあなたの味方だから」
「親父……母さん……ありがとう」
だが、俺は心の奥で、世界を滅ぼしたくてウズウズしていた。

7/13/2025, 11:20:20 PM