「あの夢のつづきを」
「確かに、彼の事は可哀想だと思うよ?
でも、どんだけ悔やんでも彼は死んだんだ」
優しく、諭すようにそうキミに伝えた、
けどキミは私の言葉に聞く耳を持たない
それどころか、
その場で泣きじゃくりながら
震える両手で小さな刃物を持って何かを叫んでいた
思えばキミはいつでも彼に支配されていた
彼が死んでから、更にキミはおかしくなった。
あいつさえいなければ
キミはこんなことにならなかったのに
あまりにも可哀想だ、可哀想すぎる。
だから私が終わらせないといけないと思った
だからキミの彼氏にやった事と同じ様に
キミに刃物を振りかざした
抵抗する君の姿すらも、愛しくて堪らなかった
しばらく戯れて疲れきったキミは
静かに私の傍で眠っていた
そんな君が愛おしくて愛おしくて
そんな君を眺めながら眠れることに
猛烈な多幸感を感じた
沢山遊んで疲れた私は静かに目を瞑る
そして、また夢をみるんだ
あの頃の、キミが彼に出会う前の
「あの夢のつづきを。」
1/13/2025, 8:58:24 AM