無音

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【48,お題:命が燃え尽きるまで】

ズガッドガガガガガッッッッッ!!!

「ッガハッ!...ッ」

もう何度目か、物凄い衝撃波と共に吹き飛ばされ
何枚もの壁をぶち破って、床に転がる

肋が折れた、右足も
もうさっきまでのスピードは使えないか

「もー諦めたら?おれとお前じゃあ、力の差がありすぎんだよ」

床に手を付き、何とか立ち上がろうと呻いている俺を
そいつは小馬鹿にするような、死にかけの蟻を見るような軽蔑の眼差しで眺めている

「諦めなよ、おれも行くとこあんだって、お前と遊んでる暇ねーの」

待てよ、そっちには絶対行かせない...!

「......はっ、逃げんのか?クソザコ」

「あ“ぁ?」

ドガァッ!

立ち上がりかけるも、再び頬を殴られ床に沈められる
意識を向けさせようとでた言葉が、思った以上に効力を発揮したようだ

「随分舐めた口聞くじゃァん?人間の癖に」

「そのお前が舐め腐った人間に、お前はこれから殺されるんだぜ」

「ふーんそっかぁ...」

もう仕事とかどーでも良いわ

「お前をぶっ殺す」

ビュウウ、とそいつの雰囲気が変わる
遊ぶとかじゃない、本気で向けられている殺意と憎悪

そうだ、それでいい

立ち上がりぐっと拳を握りしめる、ボウッと音がして両手がじんわり熱くなった
炎を両手に揺らめかせて、顔の前で構える

絶対に彼らのとこには行かせない、俺を信じてくれた彼らを絶対に傷付けさせない

この俺の命が燃え尽きるまで

全力であの化け物を殺す。

全ては

俺を助けてくれたみんなの為に

9/14/2023, 10:35:40 AM