寝華 '自分用メモ'

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「あのね、私、あの人と付き合うことになったの」


ずっとあの人のことが好きだった。
友達にあの人の好きなところを言ったり、相談したり。そんな日々を過ごしてた。
好きで好きでたまらなくて。だから、告白してくれたときはその場で飛び跳ねてしまいそうなほど嬉しかった。

これからあの人と一緒に歩んでいくんだ、って信じてやまなかったのに。

「わたし、あの人のこと好きかも」

ふざけないでよ、ぽっと出の存在で。
あんたなんかが私からあの人を取ろうとするなんて。

「ねぇ、わたし今日あの人と話せたの」

話せただけで何?
あの人の隣は私だけなの。

「あの人ね、今好きな人居ないんだって
だからわたし、立候補してきちゃった」

みんなにはこの関係を内緒にしてるから、あの人は気を使ってくれただけ。
そんな嘘に騙されるなんて。
やっぱりあんたはあの人のこと分かってない。

「あのね、私、あの人と付き合うことになったの」

分かってない、はずなのに。

いつから?
あの人はいつからわたしに飽きたの?

「ねぇ、私の気持ち、分かった?」

うん、分かった。
わたし、あなたに酷いことしちゃったんだね。

あの人の目には、誰も入っていないらしい。


@寝華


#視線の先には

7/19/2022, 2:59:43 PM