「子供のままで亅
高校三年生私には好きな人がいた 高校二年生の時初めてクラスが一緒になった男の子
彼の弾けるような笑顔に一目惚れをした
彼は運動神経がいい
彼は頭がいい
彼は笑顔が可愛い
彼は毎日楽しそうだ
私は運動神経が悪い
私は頭が悪い
私は上手に笑えない
私は毎日楽しくない
正直私にとって彼は高嶺の花だ
でも私は彼が好きだった
ある日の放課後
教科書を忘れたことに気づいた私は教室へ戻った
教室には彼と彼の友達がいた
今教室に入るのは気まずい
私は廊下にしゃがみ彼らが帰るのを待つことにした
あった俺の筆箱よかったー
どうやら彼らは筆箱を探していたらしい
彼の友達 「筆箱なくすとかお前ばかじゃね亅
彼の友達の声がする
彼 「ごめんってージュースおごるから」
私はくすっと笑った
ジュースで許してもらおうなんてすごく彼らしい
彼の友達 「ジュースはいいからさっきの続き」
彼 「なんのこと?」
彼の友達 「だーかーらーお前の好きな人!」
私は驚いた
彼には好きな人はいないと思っていた
彼 「あーそれか」
私は聞きたくなかった
絶対私じゃないからだ
私は急いで耳を塞ごうとした
彼 「〇〇さん」
ぎりぎりで塞げなかった私の耳に入ってきた名前は
私のものだった
私は嬉しかった
涙が出てきそうだ
彼 「体育祭で告白しようと思ってる」
それから一週間がたった
私は学校に行くのが毎日楽しみだった
体育祭当日
昼休みに彼が私の所にきた
次のペアダンス一緒に踊ってくれませんか?
彼が言った
私はもちろん頷いた
二人で踊るのは難しいけどとても楽しかった
このままずっとこうして踊りたい
この時間が終わらなければいいのに
ああ
ずっとこのままで
ずっと子供のままでいたいな
5/12/2023, 11:48:21 AM