筆を取ったは良いものの、一体何を書くべきかと悩むこと小一時間。悩むくらいならば思うがままに書けば良い、と呆れた様に言われたのでそうしてみようと思う。
故に纏まりもなく語ることを許してほしい。
さて、では何を語ろうか。
何を知りたい?
何を聞きたい?
どうだっただろう。
あの頃の私は、味方なんて誰一人としていない、生きる意味も分からない日々の中で、遠い未来を生きる己の言葉を夢想した事などあっただろうか?
………………ハッキリと言おう。
無かったな。そんな時は、一度として。
ならばやはりコレは無粋だ。
私が歩んだ道の辛さも、苦しさも、悲しさも、喜びも、全て己の目と耳と心で知るべきだ。第一、今の私がとやかく言ったところであの頃の私が信じるとはとても思えない。
分かるよ。
分かるさ。
分かるとも。
自分自身の事だもの。
…………………………だが。
一つだけ。
一つだけ、言っておこうと思う。
────────── 幸せだよ。未来の、お前は。
【題:あの頃の私へ】
5/24/2024, 1:32:44 PM