星降る夜に咲く

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  「海の底には面白い世界が
   あるらしいの!」
  と瞳を輝かせた君が
  深い海の底の世界に
  旅立ったのは
  遥か遠い日になる

  君は知っていた
  その世界の入口で
  今までの記憶は
  全て失われる
  自力で思い出すことは
  ほぼ無理だろう
  それでも
  その世界に魅了された君は
  扉を開いた

  君の体験の全てを
  僕からは視ることができる
  君の気持ちは
  手に取るようにわかる
  だけど
  君からは何も見えない
  何も覚えていない
  自分が何者だったのかも
  そうして
  何千年もの間
  君はくり返しくり返し
  その世界を生きてきた

  そして…
  とうとう
  君は思い出し始めた
  ここではない場所を
  自分が何者だったのかを
  
  君は気がついた
  自分を待っている存在のことを…
   


     「ただいま」
     「おかえり」  




              〜海へ〜


イメージの中に
いつも出てくる砂浜がある
そこでのんびりしている
何をするわけでもない
いつかたどり着く
場所なのかもしれない

8/23/2023, 12:56:00 PM