いちさん(えいのーと)

Open App

風のいたずら


風のいたずら。
昔、これに近いタイトルのえっちな動画を見てしまったことがある。

きっかけは切り抜き動画だった。
風が吹き、女子のスカートの裾がめくられていく。
その瞬間だけ幾つもいくつも繰り返される。

何だコレと思い検索をかけたらタイトルがわかった。
スカートがめくれるパターンがあまりにも多かったので
何パターンあるのか気になり切り抜き動画を
周りまくったが、
本体は未成年なので買う勇気がなかった。
検索をかけて出てきたアダルトサイトが生々しすぎて
自分にはまだ早いとブレーキがかかったのだ。

見たいけどまだ早い。
欲求を理性で押さえつけたが、大きな弊害が生まれた。

それはつまり。


気になるあの子のぱんつが見たい。
えっちな動画本体から興味がリアルに移ってしまった。

征服の裾が気になる。
階段を登っている時見てはいけないという気持ちと、
ひょっとしてと期待してしまう自分が嫌になる。
強い風が吹いた時など平静でいられない。

見たいのだが、同級生が同時に目撃するのは嫌なのだ。

彼女は好きだ。まっすぐな背中も、綺麗な髪も
友達に向かい笑う顔も、真剣に授業中を聞いてる姿も
全部全部好ましい。

そんな素敵な存在に下心を向けてしまう自分が嫌だ。


自分、こんなにいやらしい人間だったのか?


自己嫌悪しつつ、スカートを目で追う欲求が止められない。
これがクラスの女子にバレたら人生が終わる。
でもやめられない。


葛藤が壊れる日が訪れた。

移動教室の際、渡り廊下を歩いている時それは訪れた。

少し冷たい晴れた日の午後だった。
少し前を友達と歩いている彼女のスカートの裾を
見ないよう努めるために、
結んだポニーテールの髪の先を見ていた。

ゆらゆら揺れる髪先が綺麗だ。

そんなことをぼんやり思っていたら髪が乱れる。

突風が吹いたのだ。


小さい悲鳴と共に隣の友人とともに
スカートが飜る。



見てしまった。




真っ黒いスパッツを。




そうか、そうだよな。
今時スカートの下がパンツとかファンタジーだよな。
とくに今冬だし、女子がお腹を冷やしてはいけない!
合理的!合理的だ!!


見たかった!という気持ちを打ち消すために
アンダースコートの正当性を
頭の中に捲し立てる。



見たかった、でも見なくてよかった。
もしも。
もしもスカートの下にスパッツを履いていなかったら。


自分は彼女の顔を
二度と見ることができなくなってなっていただろう。



だからこれで良いんだ。


まだ心の片隅で、でも本当は見たかったろ?と
呟く自分がいる。



だから!黙れ!!




しばし自分の思考と格闘することになり、
友人達から奇妙な眼差しを送られた。



















1/17/2025, 3:03:22 PM