世界を知らなかった君は、為すすべもなく倒れた
努力のかいもなく、ただ何かに利用され、捨てられた。夢は消え、大切な宝も壊された
「僕は悪いこと、何もしていないのに」
君は世界に淘汰され、この世界の不条理を知った
満身創痍な君。でも心の芯は折れることがなく、瞳には微かだが光が灯っていた
君は強かった。不条理を知ると同時に共に嘆く声を聞き、皆の平等を願い、不条理に抗った
未熟な君は、さらに努力した。強くなるために奮闘し、賢くなるために研鑽を積んだ
だが、君は知ってしまった
誰かが苦しみから解放されれば、別の誰かが苦しむ世界を
何かを叶えるためには、誰かの夢を砕かなければならない世界を
関係があろうとなかろうと、何かを起こせば何かが苦しむ。道理のようで、道理じゃない
この世界は不条理で溢れている
複雑な糸が絡まりあい、一つ一つを解いていくには、気の遠くなるような時間が必要なのだ
そうして君は、自分の力ではこの世界を救うことができないと知ってしまった
不条理を、受け入れたのだ
瞳の光は復讐の炎に変わった。君は復讐のため、道無き道をを進んだ。これまでに得た力や知識、全てを燃料にして
踏みつぶした花にも気づかない。振り払った人に目もくれない。炎が消えるまで、君は止まらない。もしくは新たな炎に飲み込まれるまで、止まらないだろう
…今日もどこかで誰かが不条理を受け入れる
不条理を受け入れる誰かがいる限り、この歪んだ世界は終わらない
繰り返す、繰り返す。この世界のことわり
3/18/2023, 12:20:49 PM