わたしは、小学校低学年の頃に、“嘘をつくとえんま様に舌を抜かれる”と友達が言っているのを聞き、嘘はついてはいけないのだと思っていた。
しかし、嘘をつかないとだれかが傷ついてしまうような状況が成長とともに少しずつ増えていき、わたしは嘘をつくことを覚えていった。このような嘘を“やさしい嘘”といったんだなと思い返す。
嘘をつくようになっても、“嘘をつくとえんま様に舌を抜かれる”というフレーズは、心のどこかに残っていた。そのため、嘘をつくたびに、悪いことではないはずなのに、罪悪感があった。
しかし、わたしが罪悪感を感じることよりも、だれかを傷つけることがあってはいけないと思った。
わたしはこのようにして“やさしい嘘”を覚えていったが、いつの間にかわたしは、自分の気持ちに嘘をつき続けていた。
わたしは、本当は大丈夫ではないのに、大丈夫だと嘘をついた。大丈夫なふりをした。このような行動の理由として、周りに心配かけたり、迷惑をかけないようしなくてはいけないという思いからだった。
しかし、『わたしは本当はどうしたいのか』ときかれたときに、何も答えられなくなっていた。他人に迷惑をかけないために、今何をすべきかを最優先してきた。しかし、それは”自分の本当の気持ち”に嘘をつき続けているということでもある。
“優しい嘘”と”自分の本当の気持ち”はどちらも大切だ。しかし、自分と向き合うときには、自分に嘘をつかずに正直でありたい。
わたしはこれからは、”自分の本当の気持ち”を伝えられるようにしていきたい。また、”誰かの本当の気持ち”を受け止められる人でありたい。
_____________________________やさしい嘘________。
1/24/2025, 2:05:49 PM