リル

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見えない未来へ

 進路を決めるのは苦痛でしかなかった。親に相談しても自分で考えろと言われる。日が経つごとに心の苦痛は大きくなっていく。
 自分の学力は本当に通用するのか不安で仕方がないし、偏差値を調べるのが恐ろしくて勇気が出ない。
 学校を見に行くのでさえ誰かについてきてほしい。一人じゃ心細いから。
 でもどうだろう。何とかなると自分に言い聞かせて暮らしていたら、だいたいはどうにでもなる。親がそう言ってくれた。少し肩の荷が軽くなった気分だ。今の生活はその言葉で成り立っている。未来に進むのが何か楽しみだと思えるようになった。

11/21/2025, 12:54:44 AM