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君と一緒に 、「いちご白書をもう一度」

いつか君と行った映画がまた来る
授業を抜け出して二人で出かけた
哀しい場面では涙ぐんでた 
素直な横顔が今も恋しい
雨に破れかけた街角のポスターに
過ぎ去った昔が鮮やかによみがえる
君も見るだろうか「いちご白書」を
二人だけのメモリー
何処かでもう一度

ボクは無精髭と髪をのばして
学生集会へも時々出かけた
就職が決まって髪を短く切ってきた時
もう若くないさと
君に言い訳したね
君も見るだろうか「いちご白書」を
二人だけのメモリー
何処かでもう一度

幸子は、自分に宛てられた手紙を燃やして
家を出たいと泣いた。

幸子思い通りに、生きてごらん
そして心が傷ついたなら、泣きながら帰っておいで、ばあちゃんは何時もお前の側にいる。

幸子という名は、皮肉だと泣いた夜さえ、いつの日にか想い出話になるものさ、ばあちゃんはそう歌ってバカ笑いひとつ、幸子の涙で濡れた頬をピシャリとやった。

幸子は、その名の通りに幸せな娘だ。

ばあちゃんは何時だって厳しく、何時だって幸子を愛情深く見つめていた。その頃、幸子が好きだったフォークソングの歌詞になぞらえて、明治生まれのばあちゃんは、よく説教をタレた。そんな、ばあちゃんの洒落さえ今は幸子の、宝ものになっている。

いつも、いつまでも君と一緒に…。


「いちご白書をもう一度」1975年 
「SACHIKO」1979年
作詞 ばんばひろふみ

「いちご白書をもう一度」ちょうど、今から50年くらい前の曲を私はそれから十年近く後に
よく聴いていた、「SACHIKO」は1979年ラジオの深夜放送を聴き始めた頃よく流れていて、「SACHIKO」を自分の名前に置き換えて覚えたてのアコースティックギターで弾き語っていた。ラジオの深夜放送とフォークソングが田舎の女子中学生15の夜のマイブームであった。そんな私の思春期を明治生まれのばあちゃんは一生懸命一緒にいてくれた。今思えばとんだ未知との遭遇であったろう、バブルの申し子世代昭和の丙午と明治の丙午のアンサンブルは、バブル夜明け前のことだった。

今回は朝にフォークソングを聴きながら書いてみた。

君と一緒に。

令和7年1月6日 

               心幸 




1/6/2025, 8:46:40 PM