宮平和実

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「真夜中」

 私の両親が海外に赴任する事になり、大学1年生の私が日本で1人でなる事を心配した心配性な両親が、幼なじみの家族に頼んで今は、大学2年生の彼と暮らしている。
「眠れないなぁ」とつぶやく。
ベッドには入ったが、目が冴えている。思い切って起きてお茶でも飲もうか。と思い、起き上がった。
私は自室を出た。
 リビングの部屋の電気が付いている。24時を過ぎて彼は寝ているはずなのに、誰がいる。
ドアを開けた。
「やぁ、寝れないの?」
「びっくりした!」
パジャマ姿の彼がいて、お茶を飲んでいた。
「幽霊とかでも思った?」笑いながら彼は言う。
私はうなづいた。
「君も寝れないの?」彼に聞く。
「うん」
「私もお茶飲みたいな」とキッチンにいる彼に駆け寄る。
彼は、お茶を淹れてくれた。
「お茶、美味しい」
「それは良かった。新発売していて、君が好きそうだなぁって思って買ってみたよ」
「ありがとう」
「いえいえ」
「外を見ると、月が綺麗だよ」と彼が言う。
「ほんと?そういえば最近月をみていないなぁ」
私は窓を開けて、彼と二人でベランダに出た。
「ホントだ!月が綺麗だね」
「そうだろう?」
彼は、笑っていた。
真夜中に空に浮かぶ月は綺麗だった。
私は隣にいる彼に今なら言えると思った。
私は深呼吸をして言った。
「私、あなたの事が好き」
「うん、ありがとう。俺も君の事が好きだよ」
私達は、その日、恋人同士になった。
 もしかしたら、真夜中の月は不思議な力があるかもしれないと私は思った。


5/17/2024, 3:52:12 PM