雪を待つ
美しくて 煩わしい
降って欲しいような 欲しくないような
大人になると色々むつかしい
嬉しい楽しいだけではいけないのに
みんなそれぞれ心の中の子供をずっと
抱えて行かなければならないから
色々複雑になってゆくのだ
雨のように涙を隠してはくれないけれど
まるごと埋葬されるつもりで
柔らかくはない雪の上に身をよこたえて
赤灰色の空をながめた
やがて体温でとかされた雪が服に染みて
熱をうばわれた肌が痛んでも
少し楽しいような 悲しいような
美しくて 煩わしい
雪を待つ
『雪を待つ』
12/15/2024, 11:36:26 AM