からっぽ

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お題「心の灯火」

頭の中がいっぱいいっぱいだった。
その割に、現実の出来事に対して頭が追いつかないみたいに、別のどこかは空っぽに感じた。
それなのに、気を抜くと涙が出そうになった。

「なんで…」とさらに混乱して、
ただ泣きながら、やるべきことを続けた。

考えてしまったら負け、
そんな気持ちでただひたすら、
止まらない涙と嗚咽を無視しながら。

どうにもこうにも解消できないそれを抱えていると
友達数人が「無理しすぎるな」と釘を刺した。

苦しい、けれど無理をしている実感はない。

そうしていくうち、一人の声を聞いて焦った反面、 
何かの力が抜けたような気がした。

「今言っても無理かもしれないけど、
頑張りすぎず、ゆっくり休みなよ」

笑って「頑張ってるつもりはないんだけどなぁ」と
思っていた数時間後、私は泣きそうなほど、
自分がその声に安心していたことに気がついた。

「今はそんな甘えて泣いてる場合じゃない」

そうやって自分を奮起させた。

けど確かにその一声で、私の心には「大丈夫だ」と火が付いた。

そしてその火は今も、必死な私の心の
大事な熱になっている。

9/2/2022, 3:47:34 PM