れもん

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飛べ

ある日、2羽の雛鳥が巣から落ちているのを見つけた。
全体に少し毛が生えている小さな雛鳥たちは、
時々懸命に歩こうとしながら、
家の壁にくっついて、じっとこちらの様子を伺っていた。
空には親鳥らしい鳥が、何度も行ったり来たり。

落ちてきた2羽の小鳥は、
まだ飛ぶことはできないみたいで、
ただ地面を歩こうと試みるばかりだった。
もしかしたら、落ちた時に怪我をしてしまったかもしれない。

誰かがこう言った。
「鳥は巣から落ちたらもうダメなんだ。
自力では登れないし、諦めるしかない。」

でも、この小鳥たちはまだ生きている。
懸命に足を動かして、生きようとしている。

巣は高すぎて雛を戻すことができない。
近くの日陰にそっと置いてやることしかできなかった。

どうか助かって、大きくなってほしい。
その翼でいつか大空を飛んでほしいと願った。

7/19/2025, 1:01:54 PM