「…今月いっぱいなんですよね?」
「あ、そうですね、はい」
「長いことお疲れ様でした」
「ありがとうございます」
そのあと片手で数えられるくらいの
ありきたりの別れの会話のボールを投げあって
一区切り
「じゃあ、ひとまず今日のお仕事よろしくお願いします。
私はあと帰りますね。」
「はい!…お疲れ様でした」
私からは何も出来ない
近くには誰も居ないけれど
「遠野さん」
呼び止めてほしいと思っていた自分の名前が彼の声としてリアルとなってこの空間に響いてしまった
「ん?」
何も気にしていないと装って振り向く
なんて、未来の自分が【あの頃の私へ。叶いましたよ】ってここにいる私に言いに来てくれ
5/24/2024, 3:09:26 PM