「夜明け前」
星屑を散りばめた黒。
西の空に明かりが灯る。
眠りから醒めた藍。
静かな風が吹く。
光を誘う青。
小鳥の鳴き声と車の音が、どこかから聞こえる。
私は眠れもせず、起きられもせずにこの時を見つめて、もうこんな時間が来てしまったか、とほっとしながら、憂鬱になりながら思う。
真夜中は私だけのためにある時間。
誰にも邪魔されない、私だけの世界。
しかし永遠には続かない。
世界が眠りにつくように、漆黒も眠りにつく。
世界が目覚めるように、漆黒も目覚める。
ただそれを繰り返して、いずれ全てに置いて行かれる。
希望の夜明けに、ため息ひとつ。
世界の目覚めに背を向けて、私は目を瞑りました。
9/14/2024, 2:17:00 AM