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届かないのに。

いつも思っていること。本心。それはとても重いもの。
ただ手を伸ばせば、ただ手が返ってくると思っていた。僕の細く長く弱く脆そうに見える腕と手は、どこかの誰かにとってとても羨ましいものだった。
背中から脇、肩、首、頭と眉間。ただただ降り積もっていく疲れは、私にとって当たり前だった。
誰かの願望や羨望や切望や希望が、自身にとっての絶望や退屈や後悔だったりするから、簡単に1を1と呼ぶことに抵抗を感じる。それが私の頭の中。
毎日、起きて、食べて、出して、生きて、寝る。サイクル自体が嫌になる事は無く、その事に疑問を抱こうが、どつやったって生きていく為に必要であるからして、必ず実施する営みである。
何一つ、誰にも、自分にも届かない。
この決められたルールと理想。
妬ましく、悩ましく、疎ましく、気持ちが悪い願い。
届かなくて、良かった。
届こうが、良かった。

6/17/2025, 1:35:00 PM