「揺れるキャンドル」
年の瀬。忙しなく働いて、心も身体も疲弊する。ようやくやってきた束の間の休日にはしっかりとリラックスして疲労回復に努めたい。
自分では買わないけれど、ギフトで時々貰うものにアロマキャンドルがある。火を付けなくても良い香りで落ち着くけれど、火を付けて、正しくキャンドルとしての役割を果たしてもらうと部屋が途端に特別な空間になる。
お風呂もご飯も済ませて、あとは眠るだけの21時。大きめのマグカップにたっぷりと暖かいハーブティーを入れる。カフェインは精神を興奮させるから、疲労回復させたい日にはよくない。アロマキャンドルに火をつけると、部屋の中に香りが広がった。
部屋の明かりを落として、薄暗くする。テレビもスマホも消して、キャンドルに集中する。何も考えずに、揺れるキャンドルを眺める。ゆらゆらと小さな炎が踊る。蝋がとろとろと蕩けていく。頭がぼんやりとしてきて、心が空っぽになる。
「あ……」
手に取ったマグカップが空っぽになったことで思考が現実に戻ってきた。キャンドルの小さな炎から視線を外す。テレビ台に置いた時計を見ると、22時。一時間も経っていたなんて気が付かなかった。
不思議と頭はスッキリしていて、最近の心のモヤモヤもマシになった気がする。今日はよく眠れそうだ。
12/23/2025, 4:04:32 PM