どうしたの?
そんなに暗い顔して、悲しいことでもあった?
ああ、急に話しかけてごめんなさいね……アタシ、そこの花屋で働いてるの。あなたがさっきからずっとここで俯いてたから、気になっちゃって。お節介だったらごめんなさいね。
あら……この喋り方が気になる?
たしかに変な目で見られることもあるけど、誰にだって個性はあるわ。それに、色んな個性があった方が世の中面白いと思わない? だから好きなものは好きだし、アタシはアタシ。誰になんと思われようと、それを曲げる気はないのよ。
――ね、あなただって、きっとそうでしょう?
それはそうと……じゃじゃじゃーん!
アタシから落ち込んだ顔のあなたへ、花束のプレゼント!
お花はものを言わないけれど、だからこそ、あなたの心にそっと寄り添ってくれるはずだわ。
いつも頑張っていて、えらいわね。
アタシはあなたのことなんにも知らないから、こんなふうに励ますのはちょっとヘンかもしれないけど……たまにはこうやって、自分のこと褒めてあげるのよ。
ふふっ、やっと笑ってくれたわね。ちょっとは元気出たかしら?
……え、お代? それなら、その顔が見れただけでじゅうぶんよ。遠慮しないの!
さて、あなたの素敵な笑顔も見られたことだし、アタシはそろそろ戻るけど、暇だったらいつでもうちの店に寄るといいわ。見ず知らずの花屋だけれど、話を聞くことくらいはしてあげられる。
お花たちも、きっとあなたの心に、想いに、彩りを添えてくれるわ。
それじゃ、いつでも待ってるから! またね!
2/9/2024, 12:40:22 PM