Open App

明日、世界が終わるらしい。
それならば、と僕は外に出た。
外は雨が降っていて、僕は傘をクルクルと回し、弄びながら向かった。

着いた先は墓地。
かつて、交通事故にあった彼女が眠る場所。
花を買っていけばよかった、などと今更な後悔を少し感じた。

彼女の前に僕は腰を下ろした。
明日、世界が終わるのなら、きちんと君に謝りたい。

「ねぇ、──────。」

そう言って、僕は、ぼやけた視界で微笑んだ。



お題【 世界の終わりに君と】



6/7/2023, 12:20:22 PM