「ローライト」
アサガオは今だ燃えろ
蒲公英は手鞠の綿毛
太陽のひかりは、どうして
私も私以外のものも
まるで嘘を吐いたかように
あんなにもひかり輝かせてしまうのか
すべてはもとの色をとりもどして
水は苔の弾む岩の間をせせらとながれ
堰を越えて海を目指せ
吹く風はいつも人の一生分の1を攫う
袋小路を縫いとどめている
暗闇はどこか安心していて釦を外す
白い洗濯物の裡(うち)より滴る雫
斜めに立て掛けられた赤い傘の沈黙
太陽が翳っている1秒の長い一日
快晴は煌めきすぎていて
嘘で満面の笑みをさせられる
雨では、人はいつしか、黒い傘で
顔も心も隠すようになった
そんな私たちが
元の姿に戻って泣ける日がある
それは1秒の長い一日の
草花も嘘を吐けなくなる
太陽も翳った曇りの日、その日だけだ
3/23/2025, 11:26:02 AM