子どもの頃のこと。夏、夜明け前に目を覚ました。パジャマのまま外に出て、家の前の静かな空間に立ってみる。鳥もまだ鳴かず、風もなく、歩いている人も車もいない。自分以外の時間が止まったような、奇妙な感覚だった。なんだかとても孤独だった。家に入れば寝ている家族がいるし、あと何十分もすれば日は昇り鳥たちも囀るだろう。だけれど夜と朝のほんの隙間の時間は、孤独だった。そしてこの孤独な瞬間が、私は存外好きだと思った。
9/13/2024, 2:58:08 PM