「あの惑星の名前なんだっけ」
「……地球」
「地球かぁ…意外と長かったね」
「……たしかに」
「そういや君は地球から転生してきたんでしょ。どんなとこだったの」
「……空がきれい」
「他」
「……変な人もいるけど、優しい人もいっぱいいる。唯一無二の惑星だと思うよ」
「ふーん…ま、普段無口なあんたがそんだけ喋るって事は凄い所なんでしょうね」
「…行ってみる?最後に」
「………ちょっと気になるわね」
2人は人間を模した姿に変わると、手を繋ぎワープポータルを開いた。
「じゃ、行きましょうか」
「……世界の終わりに、男女の見た目して手繋いでるなんて、地球ではロマンチックなんですよ」
「そうなの?やっぱり不思議な所ね」
男性の姿を模した神が、もう1人の神にぐっと顔を近づけて囁く。
「世界の終わりまで君といたい………とか、言うんですよ」
「…………へんな惑星ね。早く行きましょ」
女性の姿を模した神の頬が少し赤くなっているのには見て見ぬふりをした。
『世界の終わりに君と』
6/7/2024, 10:35:29 AM