語り部シルヴァ

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巡り会えたら

瓦礫まみれの中砂埃が吹き荒れる。
肩で息をすることすら苦しい。
乾いた呼吸が口から漏れる。
呼吸の仕方を忘れそうなくらい体力の限界だ。

それは相手も同じで、お互い立っているのもやっとだろう。

「なぁ!俺たちはどこで間違ったんだろうなあ!」
唾を飲み込み少しでも声が張るように問いかけた。

「私たちは...間違ってなどないさ。
お互いの芯が元々違うだけ。目的が同じだけだった。」

部下は全滅。信念がぶつかり合った結果一面は赤い海。
こいつとなら...なんて少しは期待した俺が馬鹿だった。
向こうも同じだろうか...
それでも、折れればこの先に未来なんてない。
相手の上に立つか、死か...この世界はそれしかない。

目的が同じでなければ、きっといい友人になれたはずだ。
そう思うくらい相手とはウマが合ったのに...残念だ。

剣を再び強く握りしめ構える。
踏みしめた大地がえぐれるほど蹴って相手に斬り掛かる。
なぁ友よ。もしこんなふざけた世界が終わって
生まれ変わったらまたお前と巡り会えるだろうか...

そしたらバカやって酒を飲もうぜ。
そんなことを思いながらすれ違い様に切りつける。
こちらの鎧が砕ける音と、近くで膝が崩れ落ちる音がした。

語り部シルヴァ

10/3/2024, 11:22:54 AM