椋 muku

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3年間。それは保育園の時の遊ぶためのお友達に会いに行くというような日々じゃない。小学生の時の協調性を強いられる日々でもない。そう、私にとってこの3年間は本当に大事な日々だった。

3年間。とは言ったものの、厳密に言えば2年間。クラス替えを経て作られたモノだった。見慣れた友達がいれば初めましての人だっている。いわば互いにただのクラスメイトにしかすぎないということ。それでもクラス替えをしたため、後の2年間を共にすることは約束されていた。

私たちが共同生活をしていく教室では毎日新しいことを共に学び、喜びや苦しみを共有し合った。行事だって私たちが主体となって金賞を勝ち取った。半年も経たぬうちに私たちに絆が芽生えていたのだ。今までの指示に従うようなつまらない日々とは違った新たな世界。私たちが創りあげていくモノ。

決して楽しい事ばかりではなかった。協力もすれば競い合いさえする。傷つけ合っては慰め合う。誰よりも繊細な「今」だからこそ私たちを理解できるのは私たち自身しか居なかった、お互いに。私たちにしか分かり合えないモノが絆をより強めた。

もうこのクラスで過ごす日々は残り少ない。ましてや受験もあるのだからお互いに関わることもやがてなくなるだろう。まだ笑い合えているこの日々がとても愛おしくて大切で仕方ない。卒業したくないと語り合うのもきっと今しか出来ないのだろう。卒業。受験よりも私たちにとって大きな存在。苦楽を共にした「仲間」との別れなのだから。皆が集まることもあるのかどうかも分からない。卒業するまでに私はきっと皆に伝えると約束する。ありがとう。誰よりも皆が好きだった、と。

題材「仲間」

12/10/2024, 11:43:04 AM