なおみ すずや

Open App

※BL

とある世界のとある時代、魔学の発展により文明は進歩した───────
しかし、未だその恩恵に預かれない国や地域もある。
そこで求められるのは利便性でも豊かさでもなく、ただ明日を生き抜く力のみ。
これは法も秩序もない世界で「戦う」彼、彼女らの物語。

【UNDER_TAKER -いつかの海原-】

「アキュラはさ、海って見たことある」
「海?」
互いに任務帰りの真夜中、君が突然に発した。
2人とも早めに切り上げられたので、まだ日が昇る気配は無い。
いそいそと月明かりだけを頼りに寝支度をする。
「海ねぇ、勿論ないよ」
「そうなのか」
「りーくんどうしたの?急に」
先にベッドへと入っていた彼の隣に潜り込む。
「ん……今日の対象がさ」
「うん」
「最後に海を見たかった、って言ったんだよ」
「へぇ~、りーくんに仕事が回ってくるならさぞや名のある海軍とかだったのかな」
りーくんことリヒトくんは、テイカーの中でも上位の番号持ち、そして特殊能力持ちだ。
当然回ってくる仕事は高難度なものとなる。
「正解、元帥も務めたことがあるらしい」
「大物すぎるね!?」
「全盛期とは戦いたくないと思ったよ」
【編集中】

8/15/2023, 2:35:43 PM