白浅凪エツ

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【快晴】
 快晴。
 晴れの天気の中でも、雲一つないような、澄みきったものを指す。
 何もかもが鮮明に見えるこの天気が、私は苦手だった。

「おはよう、小雨ちゃん」

 振り返ると、彼女もまた、曇り一つない瞳で、私を見つめている。
 何よりもその瞳に吸い込まれてしまいそうで、__目を逸らすタイミングが、いつもわからなくなる。

「はあ、おはよう」

 面倒くさそうに、私は応える。
 彼女は出会ってから、妙に私にだけよく絡む。
 他のグループにいることも多いが、朝と放課後は特に、来なかった日はないかもしれない。

「えへへ、今日も暑いね〜」
 
 彼女が来るたびに、私は適当にあしらうのだが、一度もその瞳が曇ったことはない。
 今日もそうだった。
 怒りも、困惑も、不満も、ましてや、喜びもしない。
 純粋過ぎるほどに澄みきった瞳は、とても綺麗で。
 そんな瞳に、私は安心してしまうのだ。
 __何も、返ってこないから。

4/13/2026, 1:25:42 PM