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欲望 たった1つの希望 です。

欲望

「ねえねえ、ケーキバイキング行かない?」
そう言いながら、友達は雑誌を開いてみせる。
「うわぁ。どれもこれも美味しそうだね」
開いたページに載っているのは、バイキングで取り扱っている、きらびやかなケーキの数々。
「うん、美味しそうでしょ。だからさ…」
「でも、ごめん」
間髪を入れずに誘いを断り
「目的を達成したとき、こっちから誘ってもいい?」
そう聞くと
「うん。待ってる」
友達はイヤな顔をせず、笑ってくれる。
「ありがとう」
そう言ってくれた友達に報いるためにも、美味しいものを食べたい。という欲望に打ち勝ち、ダイエットに励もうと思うのだった。


たった1つの希望

「今までありがとう」
玄関のドアを開け、振り返ったキミはそう言って出て行く。俺は何も言葉を発することなく、その姿を見送った。
「呆気ないもんだな。恋の終わりなんて」
ずっと一緒にいられるもんだと思ってた。勇気を振り絞って告白して、こんな結末が待っているなんて、思いもしなかった。
「嫌いになったわけじゃない。けど、あなたといたら、自分がダメになりそうだから」
何度、キミが言った別れの理由を思い返しても、その意味がわからない、でも、キミから笑顔を奪うなら、一緒にいない方がいい。そう判断して、手を放す。
そんな俺が望む、たった1つの希望。
「どうかキミが笑っていますように」

3/3/2026, 3:23:38 AM