あーちゃん

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また会いましょう

「桜さんどこへ行くの」

彼が私を引き止める。

「どこにも行かないよ。けどね私死ぬの」

彼女は儚い声でそう呟いた。

その声は本当に衰えたようでどこか切なさを感じた。

「死ぬってそれってなんで?」

焦った声で彼は呟く。


「心臓病だよ。私心臓が生まれつき弱いの。
最近思ったの。生きるのって辛いね。なんでもうすぐ死ぬのにまだ生きているのかなって時々思う。それなら今すぐ死にたい 生きている時間が辛い 怖いの」

そう思うと更に心が、心臓が痛む。そして病気は悪化していくのだ。

彼女の声はとても震えていた。今にも泣きそうで俺はそんな彼女を抱きしめたくなった。守りたくなった。

「あのさ、死ぬ直前にまた会おうなんて言わないだろうな?」

やべぇ…焦った勢いで変な発言をしてしまった
自分でも何言っているかよくわからない。

「えー?何急に。また会おうかぁ。来世でもまた会おうって私が死んだら伝えるよ なんて、その時にはもう私居ないけどね」

「そんな悲しいこというなよ。最期は前向きにいようぜ」

俺は最期に彼女を励ました。そしてこの会話が最期となった。

俺が最期に聞いた言葉。「翔くんまた来世でも会おう」その一言だけだった。 そして彼女は静かに息を引きとった。


11/13/2024, 1:25:18 PM