アサギリ

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【いつまでも降り止まない、雨】


「ねぇ、ねぇお姉さん!ふら〜っと、どこか2人で遊びに行かないかい!」



ある雨の日。気持ちが沈んでいた時。突然目の前に現れたのは、向日葵の様な笑みをうかべた可愛らしい男の子だった。



その男の子は突然私の目の前に現れた。

ポップでカラフル。心が踊る色彩のパレード!


見てるだけで心が踊るその人は笑顔が素敵な可愛い人。
FlingPosse【刹那の仲間】なんて、寂しいグループ名なのにそれに比例した光り輝く三原色のひとり。

光り輝く渋谷の街で、一等星の彼らは私とは真逆の存在。
そんな彼らのリーダーである彼は、何の因果か私に話しかけてくれた。
人好きする満面の笑み。見た目より大人で、努力家な彼。
実は、少し前から彼の存在は知っていたのだ。…有名人だからね。それに、街でも他の人に声をかけられてるのを見たことがあったから。


そんな彼は私にいっぱいのキラキラを注いでくれた。
まるで、花に水をやるように。
まるで、夜空に輝く星々が遥か彼方に流れるように。

私は知ってる。彼は沢山の人と繋がりがあって。
私は知らない顔があって。
出会ったのも全てが偶然。交わるはずのない視線がたまたまぶつかっただけ。全てが彼の気分次第。


それでもいいんだ。私が本当に辛かった時。彼は甘い甘い素敵な雨を降り注いでくれたから。しとしとと静かに降り続ける雨。止んで欲しいと思いつつ、まだこのままでいたいと思う心。
でも、これ以上は癖になって抜け出せなくなっちゃうから。だから、私は逃げたのだ。それぞれのチームが決戦に向けて、ピリピリし始めた時を狙って。


それから数ヶ月。


今日は彼らのプライドと想いをかけた勝負の日。
私は見守ることしか出来ないけど。
戦争がなくなっても、傷跡は消えない。
彼らは戦い続ける。それは終わりの無い迷路のように。

私は画面の向こうから彼らを見守る。

「……光り輝く3つの三原色。彼らのプライドと想いにどうか女神の祝福の雨が降り注ぎますように。」

今日もまた、雨が降る。しとしとと窓を濡らし、世界を閉じ込める雨。
彼らに降り注ぐのは勝利の女神の祝福か。

ーーそれともーー。

5/25/2023, 12:12:05 PM