よしだ

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さり、さり、ざり
素足で歩く砂浜に
ぶちまけられた貝の亡骸たち

砂鉄に黒く染った砂浜を
白くしろく染めあげて
波に揉まれて砕け散った
貝殻たちが鈍く痛い

まだ生まれたばかりだったはずの
小さな巻貝がくしゃりとつぶれた

遠くで遊ぶこどもたちが
見つけた貝殻の大きさを競っている
きゃらきゃらとわらいあう声が
ピカピカ光る星みたいだった

帯のような夜色の浜に
星のような貝殻のかけら

なまあたたかい潮風と
沈む白黒の太陽が
私の意識をくらくらさせた

「貝殻」

9/6/2024, 7:00:17 AM