まにこ

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待て待て、まだお前はその時じゃあない。
君はついさっきここにやってきたばかりじゃないか。
月1度の楽しみがこんなにあっさりと終わりを迎えるなんて。
でもお前がいなくなることで新しい仲間が手に入るのも否めない。
しばらくガラスケースと睨めっこ。そろばんを頭の中でリズミカルに弾く。果たしてA男が導き出した答えとは。
「……これ、ください」
さようなら、諭吉。
「毎度!」
確かに懐は寒くなった。できれば行かないでほしかった。
でもその分ほかほかと温まる自分の心。
袋に詰めてもらった、推しのフィギュア。
オタ活とは何かと引き換えに何かを失い、そして得るのだ。
やはりお迎えして正解だった。
会うは別れの始まり、A男はスキップしながら帰路についた。

10/24/2024, 9:58:17 PM