〈もう一つの物語〉
あのとき、母に連れられて服を買うとき、母に渡された服を元の場所に戻して、自分の好きなものを買ってもらうことができたのなら、
あのとき、友の顔を一度浮かべてから、彼女への言葉を綴っていたら、
あのとき、自分に嘘をつくことなく、世間知らずで無いフリをせず、大人の言うことが全てだと思わず、経験者の言うことが全てだと思わず、自分の心に素直になっていたら……
今、どんな世界になっていたのだろう。私の世界は、違ったものであったのだろうか。
その世界は、真に後悔のない世界であるだろうか。
10/30/2023, 1:37:37 PM