ソレに登った記憶はどれぐらいあるだろう
それこそ小さい時は何度か登った記憶があるが、昨今の何でも規制の時代で、それは最近どの公園でも姿を見なくなったような気がする。
ソレで遊んでいる子供たちを想像すると、やはり初めに思いつくのは“落ちると危ない”である。
だから規制する。時代と共に今後ソレは益々廃れていくだろう。
だが思い出して欲しい。
ソレに初めて登った日のことを。
一歩一歩、踏み出したことを。
ギュッと手のひらに力を入れて、全身を使って、時には腕や膝裏を絡ませて、上へ上へと目指したではないか。
そしてやっとその頂の上に立った時、どれだけの達成感があったか。
どんな景色だったか。
胸の奥から染み出してきた高揚感を、満足感を、興奮を。
下から見ていると大した高さではない、と思うだろう。
だがそれは全く違う。
ソコから初めて見下ろす景色は、ただありのままの姿ではない。
ソレ本来の高さに自身の身長を合わせて思ったよりも高く見えるのだ。そして恐怖を感じながらも己の力だけで登ってきたのだという自信で、そこからの景色はそれは素晴らしくキラキラと光っているのだ。
安全は勿論大事だと分かっている。どうか、怪我をしないで欲しいといつも願っている。
だのに、ふと思う。
子供たちが経験値を得るはずだった機会を失って欲しくはないな...と、ただ思うのである。
この気持ちに折り合いをつけるのも親の務めなのだろうか。
#ジャングルジム
9/23/2022, 12:43:17 PM