いす

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一年ぶりに開かれるカーテンが、窓が、埃を舞わせてあなたの目に涙を溜める。ここへはもう二度と来ないつもりだったのに。思いもよらずの短い時間で帰ってきてしまった。あなたの不在に埃たちはひっそりと降り積もって時間を毎秒数えていた。平等な時間がこの部屋にもあったのに。あなたの生きた一年は透明に分裂して、この部屋で埃たちとダンスを踊っていたのだと、もう一度カーテンを閉めるまでのあいだあなたはずっと噛み締めている。

10/11/2023, 2:44:05 PM