「星にも太陽にも雨にも見放されてンだ。どうせ曇天だった」 そんなこと言わないでよ……曇りにだって良いこと、あるよ、ほら、何も見えないから静かでいいし、 君はそんな安っぽい慰めなんていらない、って知ってたから何も言えなかった。 * 昨日までは重苦しい雲が空を覆っていた。「馬鹿だね」 君の棺に菊を投げ入れた、今日の空は青く晴れている。「せめて後一日待てばよかったのに」 絶望みたいな青い空と祈りに似た曇天だった。題・空模様
8/19/2024, 10:29:36 AM