あなたとの約束は、かなえられそうにありません。
キラキラした瞳で夢を語ったあの頃は、もう遠い遠い、思い出すのもおぼろげな過去になってしまいました。
今の私はその日その日をかろうじて生きているだけの、同じ日々をただ繰り返すだけの、ゼンマイ仕掛けのロボットのようなものなのです。
努力が足りなかったのでしょうか?
才能が無かったのでしょうか?
それとも、その両方でしょうか?
今となっては分かりません。
あなたとの約束を果たして、再び笑って会える日を楽しみにしていた筈なのに。
もう合わせる顔がありません。
今でもキラキラと輝くあなたは、私にはあまりに眩しくて、電車に乗ろうとする私の足を鈍らせるのです。
窓ガラスに映る疲れ切った顔。
笑おうとして失敗し、歪んだ唇。
よれよれの上着に古びたカバン。
もう身の回りを気にする余裕も無くなりました。
今度、あなたの目に私が映る時には·····あの日の約束通り驚かせることが出来るでしょうか。
さようなら。
私はずっとあなたが大好きで、大好きで··········大嫌いでした。
END
「遠い約束」
4/8/2025, 2:54:15 PM