「あぁもう最悪だよ!」
怒気を孕んだ低い声が扉越しに聞こえた。
なにかあったのだろうか。俺にできることがあるなら力になりたいんだけど、下手に声をかけて虎の子を起こすのも躊躇われる。
少しだけ、こっちの部屋で様子を窺うことにした。
最悪も最悪、本当に最悪。
スマホのデータ引き継ぎを完璧にしたと思っていたのに、このアプリだけ引き継げていなかった。
単純な理由、アカウント未作成のまま使っていたことを忘れていた。
とはいえ読み返すのも恥ずかしくなるようなものしか書けていなかったし、心機一転全て無かったことにしてこの習慣を始めてもいいだろうか。
何はともあれ頭が痛い。コーヒーでも淹れて気分転換しようか。あいつまだ起きてるかな。
【※実話ベース】
10/17/2023, 2:07:58 PM