今年で七歳になる息子は、今夜も外に出て月を眺める。
「あ、今日は満月なんだね!」
お風呂上がりで火照った頬は、今は別の理由から赤く染まっている。去年の出会いから、彼はその人のことで頭がいっぱいなのだ。腰に手を当てて、遠慮がちに牛乳を飲む。瓶を両手で持ち、一、二、三と、嚥下をする。夏の不快な湿気から生み出される熱帯の風を身体で受けながら、一言呟く。
「今日は、お姫様。かぐや姫様はいるかなあ」
今日は満月だ。ビー玉のように丸くて、不揃いな大きさをしているクレーターに姫は住んでいるのだろうか。大人になった私には、もはやわからないことだが。
「姫様! お姫様!」
牛乳瓶を逆さまにし、望遠鏡のようにして息子は月を見る。将来は天文学の重鎮かもしれない。
君と見上げる月。私はやっぱり月ではなく、その時まで君を見守っていようと思う。
お題 : 君と見上げる月…🌙
9/14/2025, 11:08:58 AM