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部屋の片隅で と ありがとう、ごめんね です。

部屋の片隅で

部屋の片隅で、キミは僕に背を向け何かをしている。
「静かにしているし、まあいいか」
と、気にすることをやめ、本の続きを読んでいたが、視界の端に何か白い物が映る。
「ん?何か見えた?」
本から顔を上げ白い物が映った方を見て
「あっ、コラ。ダメでしょ」
慌てて取り上げてももう遅い。
「あーあ」
キミにプレゼントしたばかりのぬいぐるみ。ぬいぐるみは、しっぽを振るキミにボロボロにされてしまったのでした。

ありがとう、ごめんね

ありがとう、ごめんね。
この言葉が言えたなら、今もキミと一緒にいられたのかな。
ご飯を作ってくれたり、洗濯してくれたり、キミは家にいるんだから、やって当たり前。なんて思ってない。
キミが家のことをしてくれるから、俺が仕事を頑張れる。
キミが支えてくれてたから、俺は不自由なく過ごせてた。なのに、恥ずかしくて、ありがとうが言えなかった。
頼まれたことを忘れたり、キミに文句を言われて、俺が悪いのに、ごめんねも言えなかった。
今更後悔しても遅いのはわかってる。
けど、最後にキミに伝えたい。
一緒にいてくれてありがとう。泣かせてしまってごめんね。と。

12/9/2024, 8:34:43 AM