書くことに疲れてしまった。というか繰り返すだけの毎日に嫌気がさした。誰もが一度は感じるこのどうしようもない感情を私は現在感じているのである。
目を閉じて開ければすぐに朝が来て、まだ寝ていたいと脳が頭痛を起こす。外気で冷やされた水を流し込んで目覚めの良い朝だと錯覚させる。あとは何とか流れに身を任せていれば一日が終わる。同じルーティンを繰り返しまたベッドで目を閉じる。
土曜だというのにいつもより早く目を覚ましてしまった。AM5:30.本来は朝という時間帯なのに冬のせいか外に広がるのは青白い暗がりだけ。それでも今日は外へ出たいと体が言うことをきかない。身支度を済ませて玄関を出るとやはり外は夜だった。街灯が等間隔に並んでいて積もった雪はもう少しで膝に到達するのではないだろうか。
きしりきしりと雪を踏みしめる音は私の存在を確かに証明するものであって力強さが残っていた。特別理由もなく家を出てきたからか考えることもないし今まで絶えず音を発していたスマホもない。書く習慣のネタでも考えながら誰も歩いていない道路に道を作った。
近くの神社まで来ると、そこはいかにも神聖な領域というように鳥居や御神木に上品に雪が乗っていた。神社の隣の広い空き地。真新しい雪が止むことを知らぬように降り続ける。誰もいないことを再度確認すると私は雪へ倒れ込んだ。寝ころんだという表現が適切であろうが、虚無のような私には倒れ込むという言葉が最適なのだ。張り巡らされた木々の枝は視界の3分の2以上は埋めつくしていたであろう。隙間を塗りつぶすように広がる空はやはり今でも青白かった。
題材「大空」
12/21/2024, 12:39:14 PM